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2025年新年賀詞交歓会を開催しました。

 日本粉末冶金工業会は、1月17日(金)「2025年新年賀詞交歓会」をホテルインターコンチネンタル東京ベイ(港区竹芝)で開催しました。
冒頭、園田会長(福田金属箔粉工業株式会社)から年頭の挨拶、次いで、ご来賓の星野室長(経済産業省製造産業局素形材産業室)及び、尾﨑会長(粉体粉末冶金協会・大阪大学))よりご挨拶を頂戴いたしました。
 二村常任理事(株式会社神戸製鋼所)ご発声の乾杯のあと、懇談に移りました。
 なお、今回は昨年10月に開催いたしました「WORLD PM2024 YOKOHAMA」のフラッシュバック映像を会場スクリーンへ映し出し、皆様にご覧いただきながらの懇談となりました。随所で談笑や親睦の輪が広がる中、定刻となり、宇波理事(JFEスチール株式会社)の音頭で中締めを行い閉会としました。


○園田会長
日本粉末冶金工業会 会長 園田修三 氏
 昨年10月、当工業会にとりまして一大イベントである「WORLD PM2024 YOKOHAMA」が開催されました。皆様方のご尽力により大いに盛り上がり、成功裏に終えることができましたこと、ここに改めてお礼申し上げます。今回のように皆さんが集まって直接情報交換することにより新しい発想や知恵も生まれ、そして粉末冶金の発展につながっていくのだと実感した次第です。
 ご承知の通り、自動車業界は、「100年に1度の変革期」にいます。今後もEV普及の大きな流れは変わらないと思われますが、このような時こそ粉末冶金の素晴らしい特性や省エネルギーに貢献できる利点を生かして、新たな製品を生み出し、ビジネスチャンスを広げ、乗り越えていかねばと思います。
 当会は、2024年度から粉末冶金技術の革新並びに粉末冶金業界の核となる人材の育成を図るため、「粉末冶金技術イノベーションプロジェクト」の設立準備を開始しました。現行技術では実現しえなかった革新的な技術開発、例えば、高い疲労強度領域にまで焼結工法の適用範囲を拡大する技術開発、CO2排出量とコストを劇的に低減する技術開発に挑戦する産学官のプロジェクトです。会員の皆様には是非、積極的に参画をお願いいたします。
 これからも刻々と事業環境は変化していくと思われますが、私たちは怯むことなく、「変化はチャンスだ」と捉えていきたいと思います。事業環境の変化によって、従来の方法では解決困難な課題が多々生じることが想定されますが、そこで様々に視点を変えながら新たなアイデアやアプローチを導き出す取組みは、技術の発展にとっても、個人個人の成長にとっても非常に有益なものとなるだろうと考えています。
 本年は、通常の工業会活動に加え、イノベーションプロジェクト活動が本格化いたしますので、会員各社様と共に成長することのできる工業会を目指します。引き続き、会員各社様のご支援ご協力を何卒よろしくお願いいたします。


○星野素形材産業室室長
経済産業省製造産業局素形材産業室  室長 星野昌志 氏
 生成AIを代表とするデジタル化、エネルギー環境問題、気候変動問題等、世界の変化は加速し、国内においては訪日外国人の増加によるインバウンド効果の恩恵もあり、益々グローバル化が進んでいると実感しています。日本も内向きにならずに、グローバル市場を捉えながら、進化を続けていく必要があると考えます。
 さて、本年は経済産業省として以下3点の活動をご紹介いたします。
 1つ目は、大阪・関西万博です。未来社会の実験場として最先端分野を発信・社会実装する機会です。ぜひ、ご参加いただきますようお願いいたします。
 2つ目は、賃上げと取引適正化の推進です。成長型経済への転換に向けては、産業界による賃上げの努力とともに、労務費を含む価格転嫁の推進が必要です。政府としてもこれまでの取組に加えて、下請代金法の改正など、取引環境の一層の整備を行ってまいります。
 3つ目は、素形材産業ビジョンの改定です。約12年ぶりに中長期のビジョンづくりを進めています。素形材産業が稼ぐ力を向上し、世界の製造業の構造変化に対応できるよう、業界の皆様とともに取り組んでいきたいと考えております。
 粉末冶金業界では、本ビジョンの趣旨に沿う形で、新たなイノベーションプロジェクトに関する議論が始まっていると伺っています。このような前向きな取組を、他の素形材業界にも展開していければと思います。また、本ビジョンの中では、粉末冶金とも関係の深い金属積層造形についての目標と取組も掲げる予定です。日本の製造業の競争力を強化する原動力として、粉末冶金業界の活発な活動を期待しています。経済産業省としても業界の明るい未来のため、支援を継続してまいります。

 
○尾﨑粉体粉末冶金協会会長
一般社団法人粉体粉末冶金協会 会長 尾﨑由紀子 氏
 昨年は、粉末冶金業界にとって非常に充実した一年でした。特に注目すべきは、「WORLD PM2024 YOKOHAMA」の成功です。スローガンである“Make a better world with PM”に象徴されるように、世界中から集まった専門家が、粉末冶金技術を通じてより良い社会を実現するための技術開発の成果を発表、また、議論を通じて改めて感じたのは、粉末冶金技術が今後の持続可能な社会や産業の発展において不可欠な役割を果たしているということです。
 さて、粉末冶金の主力市場である自動車分野では、モーターやバッテリーといったEVの重要な機能性部品に粉末冶金技術が活用されています。また、資源再利用による持続可能な社会を実現するため、使用済み部品を再利用可能な粉末に加工する技術は、廃棄物の削減と資源の有効活用を両立します。さらに、再生粉末を利用して新品同様の部品に加工するプロセスは、循環型社会の実現のために、粉末冶金技術の活用が今まさに必要とされているのです。
 このように、私たち粉末冶金業界は、社会を支える「名脇役」であると同時に、未来を切り拓く「主役」になるポテンシャルを秘め、業界の未来を担う若手の挑戦の場として期待されます。未来を切り拓く主役となるためには、 “既存の枠組みにとらわれない連携”(国際連携、団体連携、会員相互の連携)を推進し、次世代材料や部品製造技術の共同開発や、資源再利用における異分野連携、さらには次世代人材の育成といった分野での活動を、産官学が一丸となって具体化する新たな挑戦を行う時です。学術団体としても、皆様が共に挑戦を重ねる「開かれた場」を提供し、次世代の産業を支えるために尽力してまいります。2025年が、粉末冶金業界の皆様にとって新しい挑戦の年となることを祈念しております。