GPMD グローバルPM特性データベース

  1. Home
  2. 工業会について - 工業会賞

工業会賞のご紹介

工業会賞は、1979年度に粉末冶金工業普及事業の一環として創設され、2024年度で46回目になります。
工業会賞は、工業会事業に貢献された方を表彰する「業界功労賞」と優れた粉末冶金製品を表彰する「新製品賞」、優れた原料粉末を表彰する「原料賞」、優れた製造設備を表彰する「設備開発賞」に分かれています。「新製品賞」は、さらに「デザイン部門」、「材質部門」、「製法開発部門」に分けて審査され、2003年度から、選考委員会で特に優れた受賞案件とされたものに「工業会大賞」を授与しています。
また、賞の対象にならなかった応募の中から、特徴のあるものを「奨励賞」として表彰しています。

2024年度

アキシャルモータの高性能化に貢献する両ツバ一体圧粉磁心の開発

アキシャルモータの高性能化に貢献する両ツバ一体圧粉磁心の開発
住友電気工業株式会社
従来の発想にとらわれず成形方向を変えて薄肉の複雑形状を達成し、その成形技術の高さと、モータの特性を大きく向上した点が高く評価されました。また、製造原価を半減させて市場性を確立し、圧粉磁心コアが家電機器に採用されたことは国内初であり、今後の圧粉コアの普及の足掛かりとなった点も高く評価されました。
モータ市場の中でもその割合が大きい家電機器への採用は、PM業界全体としての今後の更なる市場拡大が期待できる製品です。

電動ソレノイドバルブの高機能化を実現した焼結ブッシュ

電動ソレノイドバルブの高機能化を実現した焼結ブッシュ
株式会社ダイヤメット
磁性を有したブッシュという点で新規性が評価されました。摺動性と磁気特性の両立や、形状の工夫を顧客とのデザインインで検討を重ね、粉末冶金に適した形状としたことや、溶製材から粉末冶金製品へ切り替えた点も業界への貢献度が高く評価されました。
横展開の期待できる部品として、今後の拡大が期待されます。

成形体加工を有するベーンポンプ用サイドプレートの開発

成形体加工を有するベーンポンプ用サイドプレートの開発
株式会社ファインシンター
細溝の成形体加工は非常に難しい技術である点や、加工条件の最適化の工夫がみられる点が評価されました。また、成形体加工は業界発展にとって重要になる可能性のある技術の一つで、粉末冶金の適用範囲を広げる可能性がある点も評価されました。
今後、様々な部品へのグリーン加工の横展開が期待されます。

高周波焼入製品の磁気探傷検査自動化

高周波焼入製品の磁気探傷検査自動化
株式会社ダイヤメット
AIを活用して多孔質な焼結品の外観検査の自動化を実現した点が、簡単に実現できるものではなく相当の苦労の跡が感じられ、高く評価されました。顧客承認を得るレベルの精度を達成している点、人材不足解消の一つのきっかけになりうる点など、業界への貢献度も評価されました。受賞をきっかけに本技術の業界への広がりが期待されます。

3Dプリンタ用高造形性ダイス鋼粉末

3Dプリンタ用高造形性ダイス鋼粉末
大同特殊鋼株式会社
製品の要求特性のみならず、特定化学物質、紛争鉱物という資源リスクも配慮したCoフリー組成で、大型造形を可能とした合金設計が高く評価されました。3Dプリンタは市場拡大が見込まれ、粉末冶金業界のみならず、金型業界への貢献、焼入れ工程省略によるカーボンニュートラルという社会全体への貢献も期待されます。

流動性を改善した高密度用鉄基混合粉末

流動性を改善した高密度用鉄基混合粉末
株式会社神戸製鋼所
粉末粒子間の相互作用を低減し、偏析防止効果を阻害せずに粉体流動性および金型への均一充填性を改善している点、さらに、潤滑性も確保された鉄基混合粉末として完成度が高い点が評価されました。焼結部品製造における生産性向上に対する期待や、生産実績があり既に普及している点から、業界への貢献も評価されました。

ADAS用ECU冷却ファン軸受の開発

ADAS用ECU冷却ファン軸受の開発
ポーライト株式会社
オイル保持のための様々な形状の工夫、特に、鋭角な内径面取りを可能とする金型設計の難易度の高さにおいて新規性・独自性が評価されました。モータの姿勢を問わないオイル保持性能は横展開が期待できるうえ、拡大が予想されるADAS用ECU冷却ファンへの実装、ボールベアリングを代替する点からも、今後の拡大が見込まれます。

プレス部品とのカシメ接合技術の開発によるアクチュエータ部品の焼結化

プレス部品とのカシメ接合技術の開発によるアクチュエータ部品の焼結化
株式会社ファインシンター
プレートと焼結部品という異材質を複合化した点や、カシメ接合部の工夫・デザインの独自性が評価されました。四輪駆動部品だけでなく、動力を接続・切断する用途への横展開が期待されるとともに、塑性加工技術で異材と一体化させる技術は、業界にとって参考となる事例として、業界に対する貢献度も評価されました。