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焼結含油軸受 - よくあるご質問

焼結含油軸受とはなんですか?
金属粉を円筒状に押し固め(成形)、融点より低い温度で加熱(焼結)して潤滑油を含浸したすべり軸受。寸法精度を良くするためにサイジング(矯正)が標準工程になっています。
大きさの制約はありますか?
量産されている最大外径は139mm、全長90mm、最小内径0.4mm、外径1.2などですが、更に大きなもの小さいものも可能性があります。
形状の制約はありますか?
圧縮成形後、圧粉体を金型から圧縮方向に抜出せることが条件となります。但し抜出せない形状の場合には切削加工等で対応できますが、出来るだけ加工部分を少なくすることと、メーカの規格を参考とすることを推奨します
寿命は?
焼結含油軸受の含油率は、一般的に12~30vol%ですが、長時間運転することにより潤滑油が消耗し含油量の50%が消耗されると急激に軸受性能が低下し、最後に焼付きに至ります。一般軸受では含油量が50%消耗する時間を寿命時間とすることができます。
コストメリットについて教えて下さい。
同じ大きさのボールベアリングと比較した場合、焼結含油軸受は専用の金型を製作してから軸受を作りますので、必要数量が多くなるほどコストメリットがあります。また、同じ軸径に対してボールベアリングよりも軸受外径が小さくできるなど、周辺の設計から検討して頂ければコストメリットが出やすくなります。
最高回転数は何回転ですか?
レーザービームプリンタのポリゴンミラー回転駆動用モータにおいて48,000rpmで回転する軸を支える焼結含油軸受があります。
PV値について教えて下さい。
面圧P (MPa)とすべり速度V(m/min)の積がPV値(MPa・m/min)で、すべり軸受の許容負荷荷重を決めるたの目安となります。軸受設計は焼結含油軸受の材質毎に設定されている許容PV値以下にすることが必要です。
ポアソン比について教えて下さい。
ポアソン比は多孔質でない金属よりやや低い値であり、およそ0.2です。
摩擦係数について教えて下さい。
ボールベアリング等の転がり軸受よりも摩擦係数はやや高くなります。
限界PV値について教えて下さい。
一般的に銅系材質ではPV100MPa・m/min、鉄系材質ではPV150~200MPa・m/minです。
ヤング率について教えて下さい。
一般的に銅系材質では約40GPa、鉄系材質では約100GPaです。
使用温度範囲は何度ですか?
使用可能な温度範囲は、目安として-40℃~180℃です。
この温度範囲は、軸受中に含浸させる油種によってある程度設定できます。
例えば一般的な合成油を用いると温度範囲は-40℃~120℃。特殊な油を用いれば-40℃~180℃と高温側の温度範囲を拡大可能です。
許容荷重について教えて下さい。
軸受材質毎に許容荷重が設定されており、鉄銅系は銅系より高く設定されている場合が多く目安として、銅系軸受は≦10MPa、鉄銅系は≦15MPaです。
機械的強度について教えて下さい。
一般的に焼結体の密度比と機械的強度は相関があり、多孔質な焼結含油軸受の密度比は溶製材よりもやや低く、機械的強度もやや低くなります。
使用範囲について教えて下さい。
焼結含油軸受は静粛性やコンパクト化、耐熱耐食性など機能を持たせることが可能なため、様々な用途に対応出来ます。詳細についてはメーカにお問い合わせ下さい。
小型・軽量化のメリットがありますか?
例えば内径(軸径)8mmのボールベアリングの最小外径は12mm程度ですが、焼結含油軸受は外径10mmが可能です。使用される機器の小型・軽量化に寄与します。
使用されている潤滑油は?
一般的にはエステル系合成油やPAO系合成油が多く使用されていますが、コストや使用環境温度等により、鉱物油やフッ素系の合成油も使われています。
【主な用途別使用例】
・自動車関連用途:エステル油、フッ素油、鉱物油
・家電用途:PAO(ポリアルファオレフィン)油、鉱物油
含油率について教えて下さい。
含浸された油の容積(※1)を軸受の体積(※2)で除して無次元化した%値です。含油量そのものよりも、多種多様な焼結含油軸受の評価スケールとして優れています。
※1 含浸された油の容積は、ソックスレー抽出前後での軸受質量差(含油量)を含浸油密度で除して求めるのが一般的です。
※2 軸受の体積は、含油軸受の大気中と水中での質量差を水の常温密度(1.00g/㎝³)で除したアルキメデス法と呼ばれる方法で求めるのが一般的です。